• 医師 小林正弘 による あざ・シミのレーザー治療 相談室

いちご状血管腫は、レーザー治療した方が良いですか。経過観察の方が良いですか。

以前に、乳児血管腫(いちご状血管腫)において、治療しないで経過観察した場合と、ダイ(色素)レーザーによる治療を行った場合の治療後の状態を比較した臨床研究がありました。結果は、治療しない方が良いという衝撃的なものでした。ただし、これは、皮膚冷却システムがない古いタイプのレーザーでの結果でした。

その後、皮膚冷却システムを装備したレーザーで、同様の調査をしたところ、レーザー治療をした方が良いという結果となりました。

乳児血管腫に使用されるダイレーザーは、照射時に皮膚で熱が発生し、熱傷(やけど)になってしまい瘢痕(傷あと)を残してしまうことがあります。それを防ぐために、新しい「Vビームレーザー」には、DCD(Dynamic Cooling Device)と呼ばれる皮膚冷却システムが装備されています。レーザー照射する直前に冷却ガスが一定量出て、照射部位を冷やしてから、レーザーが照射されます。照射部位には、従来通りの熱が発生しますが、冷たい温度から、やけどにならない温度までしか上がらなくなり、安全に治療することが可能になりました。

「Vビームレーザー」を使用すれば、副作用の少ない治療が可能であり、乳児血管腫を改善させることができます。レーザー治療をした方が良いとされています。