患者様の希望する治療の目的により、治療方法の選択は変わります。目的には、根治的治療を希望されている場合と、整容的治療を希望されている場合があります。
黒子はまれですが、悪性化して皮膚がんに変化することがあります。特に大きい黒子では注意が必要です。黒子の悪性化を心配して、切除を希望される場合は、根治的治療法として、手術を選択する必要があります。
レーザー治療は、黒くない黒子の細胞や、レーザーの届かない深部の黒子の細胞が残ります。悪性化を心配される場合は、充分な治療法ではありません。ただし、手術は傷を残してしまいますので、整容的に黒子を取りたいという場合は、手術でなく、レーザー治療を選択する必要があります。悪性化の可能性は残りますが、何もしないよりは、黒子の細胞は減りますので、悪性化の可能性は少なくなります。小さい黒子の場合、悪性化する可能性はまれですので、必要以上に心配する必要はありません。
患者様が、「黒子を取ってください」と言って来院される場合、医師として、「黒子を取ってください」の意味が、根治的治療を希望されているのか、整容的治療を希望されているのかを、正しく判断する必要があると思っています。