• 医師 小林正弘 による あざ・シミのレーザー治療 相談室

黒子(ほくろ)の治療について教えてください。(手術治療とレーザー治療)

黒子の治療には、いくつかの方法があります。
大きく、手術により切除する方法とレーザーを使用する方法の2つがあります。

手術により切除する方法は、従来は、丸い黒子を、上下または左右に延長して、紡錘状に切除して縫い寄せていました。延長して切除するため、傷の長さは、黒子の直径の2倍から3倍になってしまいます。結構長い傷跡が残ります。

手術によるもう一つの方法は、「くりぬき法」と呼ばれる方法です。黒子を黒子より一回り大きく丸くくりぬき縫い寄せずに皮膚が再生するのを待つ方法です。3週間ほどで皮膚は再生します。丸いほぼ平らの傷跡になります。目立たなくなることが多いですが、陥凹が残ったり、皮膚の質感に違いが残ることがあります。

手術による方法も、多くの場合は、気にならない状態になりますが、傷のなおり方は、個人差があり、目立ってしまうこともあります。

レーザーを使用する方法の方が、整容的に目立たない治療が可能です。隆起のある黒子は、始めに削るレーザーで、隆起部分を削り、平らにします。続けて、色を取るレーザーを照射します。黒子の色は、皮膚の深くまでありますので、1回の照射では取れず、間隔を開けて、5~10回程度の治療が必要となります。隆起のない黒子は、色を取るレーザーのみを照射します。回数はかかりますが、この方法が、1番目立たなくなります。

施設によっては、黒子を1回のレーザー治療で除去するというところがあります。削るレーザーで、黒子をえぐって切除します。浅い黒子は問題ないですが、深い黒子の場合、陥凹が残ってしまったり、削り方が足りないと後に再発します。陥凹が残ると、見た人には、傷として認識されるので、黒子よりも目立ってしまいます。色を取るレーザーで、回数を掛けて治療することをお勧めします。