• 医師 小林正弘 による あざ・シミのレーザー治療 相談室

黒あざは、レーザー治療でなく、切除した方が良いですか。

色素性母斑(黒あざ)の治療は、従来、手術で切除することが基本でした。

その理由は、黒あざは、将来的に悪性化する(皮膚癌に変化する)可能性があるためです。黒あざを構成する「母斑細胞」と呼ばれる黒い細胞は、一定の可能性で悪性に変化する可能性があります。小さい場合は問題になりませんが、面積の広いものは、細胞数が多いので、トータルで、悪性化する可能性が高くなります。そのため、特に面積の広いものは、手術で切除する方が良いとされています。

もう一つの理由は、黒あざは、黒い部分の厚みが厚く、レーザー治療が難しいということもあります。ですが、レーザー機器の進歩により、改善できるものも増えてきました。

切除するか、レーザー治療をするかの判断は、最終的には。患者様が判断することになります。手術で切除すれば、傷が残ります。傷は目立つ場合もあります。レーザー治療をすれば、きれいに除去できる場合もあります。悪性化する可能性はありますが、可能性は極端に高いわけではありません。また、レーザー治療をしたから悪性になると言うことではなく、何もしないで放置するよりは、悪性化の可能性は低くなります。

どちらを選択しても、価値観の問題で、間違いではないと思います。

また、レーザー治療の治療効果には、個人差があり、少ない回数で終了する場合と、回数を重ねても改善が少ない場合があります。まずは、レーザー治療を行い、その効果を見て、レーザー治療を継続するか、切除をするかを決めても良いと思います。